「積み立てNISA」、「新NISA」や「iDeCo」など耳にした事がある方も多いのではないでしょうか。これらは貯蓄から投資へをスローガンに国が行っている経済政策のひとつです。
直近10年間の株式相場が好調であった事も相まって「FIRE」という言葉もよく目にするようになりました。
本記事ではFIREとは何か、FIREの種類や実現するためのステップを紹介します。
FIREとは?
「FIRE」とは「Financial Independence,Retire Early」の頭文字からできた言葉なんだよ。経済的に自立して早めに退職しちゃうことだね。
昔からあるセミリタイアみたいなものだね
ざっくりいうと、「将来使う予定のお金>保有資産」又は、「生活費>不労所得」を達成すれば経済的に自立できるということなんだ。
そんなこと一部のお金持ちしか無理なんじゃないの?
一口にFIREといっても沢山種類があって、それぞれメリット、デメリットがあるから紹介するね。
FIREの種類
1.FATFIRE
生活費と贅沢費を全部資産所得でまかなってしまう方法。最も必要資産が多く、多くの人が夢見る夢の引退生活。
具体的な数字を挙げると年間400万円で生活できる人には1億円の資産が必要と言われているよ。
1億円なんて平均な我々には程遠い数字だね
2.Lean FIRE
贅沢はできないけど、倹約をしっかり行って生活費を下げて、FatFIREより少ない資産で働くのをやめるスタイル。働かずにすべての生活費を資産で賄う点はFATFIREと同じ。
単純に生活費を半分の200万にすれば必要資産も半分の5000万円で済むよ。
3.Coast FIRE
資産収入で生活は可能だが、働き続けるスタイル。社会とのつながりを持ち続けることができ、LeanFIREと比べるとお金に余裕がある。厳密にいうと経的自立(FI)は達成しているが早期リタイア(RE)はしていない。
生活は資産のみでできるからやりたい仕事だけやることができるよ。
仕事を辞めたいときに辞められるのはいいね。
4.SideFIRE
資産収入の足りない部分を労働収入によって補う。必要な資産が最も少ないのがメリットだがFIREは達成しておらず、いわゆるセミリタイアみたいなもの。資産からの収入があるのでフルタイムで働く必要はなく週3日など労働時間を短くしたり。年収は低くてもやりたい仕事に就くなどの選択肢をとれるようになる。
必要資産が少なくて済むのはいいね。確かに週三日なら働いてもいいかも。
私たちでも一番現実的だね。実際にどれくらいの資産が必要なんだろう。
じゃあ次はFIREに必要な資産と使えるお金の例を紹介するね。
FIREに必要な資金額
資産のみで生活費を賄う場合
一般的には25年間分の生活費を用意すればFIREが達成できるといわれています。
1年の生活費が400万円であるならば、400万×25年=1億円あればFIRE達成です。
1億円なんてなんとも非現実な数字がでてきたわね。
しかも25年分の生活費じゃ老後まで生活できないんじゃない?
貯金を切り崩したら25年で無くなっちゃうね。でもこの資産を株式と債券で運用しながら切り崩せばもっと資産が長持ちさせることができるんだ。
運用ってよくわかんないし、信じられないね。怪しい話じゃないの?
怪しい話じゃないよ。4%ルールなんて言われているんだ。
あとで簡単に説明するね。
サイドFIREの場合。
同じく400万円で生活する場合、年間200万円を労働で稼ぐとすると、必要な資産は半分になるので5000万円でFIRE達成となります。
夫婦で200万稼ぐのであれば一人当たり100万円稼げばいいね。
1か月あたり8万円くらいならストレスなく働けそうな気がするわ。
4%ルールとは?
株式と債券で資産を運用しながら毎年4%ずつ取り崩した場合、30年後にも資産が残っている可能性が非常に高いことが研究で示されています。
その確率は過去の計算から算出すると98%の確率で資産が残り、多くの場合においてむしろ30年後には資産が増えていました。この研究はトリニティスタディと呼ばれ、アメリカのトリニティ大学の教授3人によって発表された研究結果です。
そのため年間生活費が資産の4%以内であれば(=生活費の25倍の資産があれば)経済的自立を達成できるといわれています。
この研究で出てくる株式っていうのは米国株式市場の株価指数の一つであるS&P500という指数に連動するインデックスファンドで検証しているんだけど、過去50年で年平均10%以上の利回りを記録しているんだ。
平均で4%以上成長している株式だから取り崩しても減らないんだね。怪しい話かと思ったけどしっかりしたエビデンス(根拠)もあるのね。私たちのような理系人間にはエビデンスがあると少し安心するわ。
そうだね。でもあくまで過去で検証した結果だから、未来を保証するものではないことは忘れてはいけないね。
でも実際にFIREはどうしたら達成できるのかな。
じゃあ次は具体的なステップを紹介するね。
具体的なFIREへの道
1.収支を把握して目標金額を決める。
さきほども書きましたが、FIRE達成には25年分の生活費が必要です。そのためにはまず自分が年間いくらで生活しているのか把握する必要があります。そして自分の年間生活費を25倍すれば目標金額を設定できます。
具体的な方法でいうと、家計簿をつけることです。家計簿をつけると自分の無駄な出費も明確になり支出を減らすことにもつながりますのでつけていない人は今日からつけ始めましょう。キャッシュレス決済であれば自動で管理してくれるアプリもありますので利用するのもよいでしょう。
私は手入力のアプリを使用しているよ。使ったお金をアプリに入力するのが嫌だから無駄にお金を使わなくなったよ。
私ならめんどくさいから自動で管理してくれる方がいいかな。
2.無駄な支出を減らす
家計簿をつけることで無駄な支出に気がつくかもしれません。支出を減らすことは貯蓄のスピードを上げる事にももちろん役立ちますが、準備が必要な資産を減らすこともできます。
例えば生活費を年間40万円節約できたとします。上述のようにFIREには25年間分の生活費をためる必要があるので40万×25=1000万円分用意する資産を減らすことができます。もちろん貯蓄に回せるお金支出を減らした分だけ増やすことができるのでぐっとFIRE生活へ近づくことができるのです。
ここで節約するときに重要なのは無理に節約するのではなく、生活の質をできるだけ落とさずに支出を減らす倹約を心がけるとよいでしょう。例を挙げると携帯代を格安SIMに切り替える。保険の見直しなどから手を付けるのがおすすめです。
格安SIMなどの固定費は一度設定しなおせば勝手に節約できるよ。
早めにすることによって効果も大きいから今すぐ見直そう。
3.生活防衛費を確保し、余剰資金を投資に回す
家計簿を付け貯蓄できるようになったら、まず生活防衛資金を用意しましょう。
生活防衛資金とは急な出費などに備えて、いざという時の生活費に使うお金のことです。働き方などの境遇にもよりますが、6か月分の生活費ほどは準備しましょう。
生活防衛資金を確保したら残りを投資に回しましょう。細かいことは割愛しますがおすすめの投資先は全米や全世界に分散投資でき、運用経費の安い投資信託をネット証券で積み立てましょう。
具体的な例を紹介すると証券会社でおすすめはSBI証券と楽天証券、投資信託でおすすめなのはe Maxis Slim 全米株式(S&P500)やe Maxis slim 全世界株式(オールカントリー)などがおすすめです。
投資で重要なのは「長期・分散・低コスト」だといわれているよ。
今までの結果でいえばS&P500連動インデックスファンドであれば15年以上持ち続ければ元本割れになることはなかったんだ。
でも過去はあくまで過去だから未来は誰にも予想できない事は忘れてはいけないね。
4.次なるステップ
3までできるようになったらあとは継続すればいつかFIREも達成できるでしょう。しかしもっと早くFIREしたい!という方もいるかと思います。支出を減らすことには限界があります。そのためさらに早くFIREを達成したい方は転職や、副業などに挑戦し収入UPを目指してみましょう。
今書いてるブログなんかも副業になるね。
お金がかからず始められるものをとりあえずやってみよう。
最期に
今回は分かりやすくするためにシンプルな例を紹介させていただきました。
しかし実際には結婚や、子供の人数や年齢などのライフイベントによって毎年使うお金は変動します。
そのため人生の大きな支出を把握するためにも自分の状況に合わせてライフマネープラン表を作成することをお勧めします。
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